2017年カープ「カ舞吼!−Kabuku−(かぶく)」を考察するために、歴代のキャッチフレーズを振り返る。

す38,000人を集めたカープのファン感謝デーにおいて、2017年のカープキャッチフレーズが「カ舞吼!−Kabuku−」(かぶく)であると発表された。

「カープ」らしく「舞」い、「吼」えながら戦っていく。歌舞伎の語源となった「常識にとらわれない変わった行動や身なりをする。」という意味のある「傾く(かぶく)」を元にしたスローガンです。
他チームの目を気にすることなくカープ道を突き進み、新シーズンも「カープらしく」熱く戦う。そして、球場という舞台でファンを熱く魅了するプレーを約束する。そんな想いを「カ舞吼!」の三文字に込めました。  ーカープ公式HPより抜粋ー

なんだかわかったようなわからないようなキャッチフレーズで、ファンの間では賛否両論のようだ。

そもそもスローガン、キャッチフレーズとは何ぞや?ということで、今回は過去の歴史を振り返ってみたいと思う。

過去のスローガン・キャッチフレーズ

カープのスローガンは1953年の「闘志なきものは去れ」が初めとされている。その後20年間はスローガンは掲げなかったが、1973年からは毎年のように設定され現在に至る。(※年度、チーム順位、【】内は当時の監督名)

1953年 4位【石本】 闘志なき者は去れ
1973年 6位【別当】 スピードとスリルある野球
1974年 6位【森永】 HOTTER BASEBALL!
1975年 1位【ルーツ】 100%の努力 / 【古葉】ハッスルプレーでスリルあるエキサイトしたゲームを
1976年 3位【古葉】CHALLENGE ’76CARP BASEBALL V2 DO ONE’S BEST
1977年 5位【古葉】LET’S GO TO CHAMPIONSHIP
1978年 3位【古葉】ALL MEN DASH!
1979年 1位【古葉】LET’S SPARK!
1980年 1位【古葉】3S BASEBALL (SUSPENCE SPEED START)
1981年 2位【古葉】3A BASEBALL (ACTIVE ACTION APPEAL)
1982年 4位【古葉】BIG JUMP HOT BASEBALL
1983年 2位【古葉】START FROM ZERO
1984年 1位【古葉】BLAZING BASEBALL
1985年 2位【古葉】CHALLENGE TO FRESH BASEBALL
1986年 1位【阿南】CONSISTENT CONCENTRATION (一貫した集中力)
1987年 3位【阿南】3C (COMMUNICATION COMBINATION CONCENTRATION)
1988年 3位【阿南】RETURN TO FUNDAMENTALS (基本に帰れ)
1989年 2位【山本】WINNING SMILE
1990年 2位【山本】STRIKING AVNEW (新たなる爆発)
1991年 1位【山本】WILL TO VICTORY
1992年 4位【山本】VALUE OF VICTORY
1993年 6位【山本】RED CHARGE
1994年 3位【三村】TOTAL BASEBALL
1995年 2位【三村】TOTAL BASEBALL II FORWARD EVER
1996年 3位【三村】TOTAL BASEBALL III OVER THE TOP
1997年 3位【三村】TOTAL BASEBALL R S REALIZAR SUENO (夢の実現)
1998年 5位【三村】TENGA CONFIANZA (己を信じて)
1999年 5位【達川】YES, WE CAN
2000年 5位【達川】START FROM ZERO ZERO
2001年 4位【山本】レッドアタック「攻めろ!!」
2002年 5位【山本】レッドパワー「燃えろ!!」
2003年 5位【山本】ライジングハート「たかぶるハートで」
2004年 5位【山本】WILL TO VICTORY
2005年 6位【山本】REBORN TO WIN「赤ヘル再生」
2006年 5位【ブラウン】ALL-IN
2007年 5位【ブラウン】ALL-IN
2008年 4位【ブラウン】ALL-INALL-IN激
2009年 5位【ブラウン】ALL-INALL-IN烈
2010年 5位【野村】We’re Gonna Win 俺たちは勝つ
2011年 5位【野村】STRIKIN’BACK 逆襲
2012年 4位【野村】GROUND BREAKERS 破天荒
2013年 3位【野村】RALLYING TO ATTACK!剣砥挑来
2014年 3位【野村】赤道直火 RED ALL THE WAY 赤く、熱く、真直ぐに
2015年 4位【緒方】常昇魂 RED RISING
2016年 1位【緒方】真赤激! Burn it up!

スローガン創世記

「闘志なき者は去れ」というの有名な言葉なので聞いた事があるという方も多いだろう。”闘将”と呼ばれる監督はたいていこのフレーズと共に語られる。自分はてっきりルーツ監督の言葉だと思っていたので少々意外。そのルーツ監督は「100%の努力」を掲げたが就任直後に辞任。後を継いだ古葉監督がわざわざスローガンを作り直しているところからも、それなりにスローガンは重視されていたことがうかがえる。

初優勝した後からは全て英語のスローガンが並ぶ。他のチームもほぼ同じようなものだろうが「何となく英語のほうがカッコいいから」という理由なのか。

80年代~90年代

この頃になると監督ごとの個性が出ていてなかなか興味深い。古葉監督時代は○○BASEBALLというスローガンの中に”SPEED”や”ACTION”といった機動力を使った野球を志向していたことがわかる。

これが阿南監督になるとメンタル面を掲げるものに変わる。”CONCENTRATION”を2年連続で使っていることから選手にここ一番での集中力を求めていたのだろう。

山本監督(第一次)で前面に押し出されているのは「攻める」「勝つ」といった攻撃的な姿勢。”WILL TO VICTORY”を掲げた1991年には5年ぶりの優勝も果たしている。その後25年も優勝から遠ざかるとは、当時は知る由もない。

三村監督は一貫して”TOTAL BASEBALL”にこだわった。「総合力で勝つ」との考えだったようだが、この頃のカープは前田、江藤、金本、ロペスらの強力打線と弱体化していた投手陣とのバランスの悪さに苦しんでいた。最後にはそんな状況を打破したかったのか1998年にはスローガンを変更している。今ならアレなスローガンではあるがここでは触らずにおく。

2000年代

チームは90年代後半から低迷期に突入。沈んでしまったチームを鼓舞するようなスローガンが多い。調べていて驚いたのがあの達川光男氏がオバマが提唱する5年も前に”Yes we can”を使っていた事だ。これこそドヤ顔で言ってもいい案件だと思うが、あまり本人が話しているのを聞いた事もないので(私が知らないだけかも)、単純に本人も忘れているのかもしれない。

山本第二次政権になるとスローガンもなんとなく投げやり感が漂い始める。「攻めろ!!」「燃えろ!!」「たかぶるハートで!!」といった具合だ。「どうにでもなれ!!」とでも続きそうだが、最終的には「赤ヘル再生」を掲げながら結果を残せず最下位に沈み、去っていった。

後を引き継いだ外国人監督ブラウンは”ALL-IN”を曲げなかった。采配には批判も多かったがこれはこれで評価されるべきだと思う。この頃からこの”ALL-IN”をあしらったグッズなどが販売され、商売につながっていくようになる。

近年の傾向と今年のキャッチフレーズの意味

マツダスタジアムが完成し野村監督が就任した辺りから、スローガンというよりはキャッチフレーズといった趣旨を強めている。実際に今年のオフィシャルリリースでも「キャッチフレーズ」との記述もあり、信念、志向というよりはプロモーションの一環としての性格が強い。今年は選手も「真赤激にしてやるぜ」とは思っていなかっただろうし「来年はかぶこう!」とはならないだろう。

つまり、球団としてはキャッチフレーズを「いかに話題にするか」が一番に問われる。今年のキャッチフレーズは「力」を重ねたような独特のロゴマークで、そもそも読めない。日本語かどうかも怪しい。だが、ニュースバリューという側面から考えたらOKなのだ。

昨年の”真赤激”だって反応は微妙だったが結果としては優勝フィーバーもあり、真赤激グッズも多数販売され当然のように売れた。今年のキャッチフレーズも違和感がなくなるほどのプロモーションを展開するだろう。カープと言う球団はこのあたりは抜群に上手いのだから。

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